フェーズシフト方式のレーザー干渉計の測定では、振動が大きな問題となります。今日、最新の干渉計は、ナノメートルレベルの精度で測定することができます。その一方で、大きな振動が存在する、騒々しくて非常にダイナミックな製造環境で使用されると、エラーが発生する可能性があります。

振動が重要な理由

振動の影響を受けやすい環境で測定を行うと、一般的にフリンジプリントスルーエラーが発生し、データが正しく取得できなかったり、信号が取得できなかったりします。望ましくない影響を軽減するために、劣悪な環境を修正しようとする解決策があります。例えば、「計測」グレードの環境を確立するために、施設を全面的に改築することもあります。悪影響を克服するもう一つの方法は、時間をかけて多くの繰り返し測定を行い、それらを平均化することです。この方法は効果が限られており、時間もかかります。

過酷な環境下でも信頼性の高いデータが得られるQPSI技術

高出力のレーザー光源は、光量が多いほどカメラのシャッター速度が速くなるため、防振ソリューションの一部として利用することができます。これにより、データ取得が速くなり、測定時間が短くなるため、振動に対する感度が低下します。

ここ数年、ZYGO社は振動による悪影響を排除するために、比較的厳しい製造環境でも使用可能な取得技術ソリューションを開発してきました。

ZYGO社は、干渉計に独自の高出力HeNeレーザーを搭載することに加え、QPSIとFT-QPSIソリューションを開発した。QPSIの取得は、剛体振動に対応したモデルベースのアプローチで、横方向の分解能を犠牲にすることなく振動耐性を高めることができる。従来のPSI(Phase Shifting Interferometry)取得と同じセットアップを使用しています。

QPSI技術は、小さな振動による位相データのノイズやリップルのプリントスルーを排除し、従来のPSI取得では「ノイズ」となっていた信頼性の高いデータを提供します。QPSI測定では、特別な設定や校正は必要なく、サイクルタイムも通常のPSI測定と同等です。製造装置からの振動がある場合でも、QPSIは信頼性の高い高精度の測定を可能にします。

しかし、QPSI測定では、2つの表面キャビティしかサポートしておらず、干渉パターンは1つです。そこでZYGO社では、MST干渉計にFT-QPSI取得を導入し、表裏面の同時測定、光学的厚さ変化の測定、均質性の測定などの測定モードを実現しました。

概要

干渉計は、その精度の高さゆえに、わずかな環境振動でも測定値が歪んでしまうという弱点があります。干渉計をはじめとする高精度な計測ソリューションが工程内や製造現場で使用されるようになるにつれ、エンジニアや品質管理者にとって、振動は常に最重要課題となっています。

 
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